薫る（3/23）

Ｃが中学時代に作った曲を、現役音大生に編曲してもらった。
完成したということで、譜面を受け取りに立川まで行ってきた。

出来上がったそれは、想像以上に素晴らしく、詞の情景をありありと魅せてくれる。
薫りたつハーモニーに、Ｃは高揚した。

彼と別れ、昭和記念公園に足を運んだ。
風になびく木々のざわめきを、何年かぶりに聴いた気がした。
春の薫る葉擦れの音は、Ｃの心を漱いでくれるのに充分なものだった。

まだ陽があったので、多摩川を散策した。
夕陽に染まり始めた川面。
キラキラと輝きながら、薫音を立てる流れ。
故郷の川を、思い出さずにはいられなかった。

Ｃの心を薫らせてくれた、素敵な一日だった。